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『硝子越しに君は』 (From 'R2' on parallel)

ルル:オフィスビルに務めるリーマン
スザク:掃除業者勤務


ルルが働くビルの窓掃除にスザクがいくんですよ。
屋上からロープで下がって掃除していく、あれです。

たまたま窓越しに目があって、「うわあ」と気まずく思いつつも、
スザクの手際の良さに感心して何となく目で追ってしまうルル。
スザクもそれに気づきつつ、窓越しに綺麗なひとがいるなぁとか思ってる。

年一回のお掃除で、窓越しに目が合うだけ。
スザクはちょっと笑ってくれたりして、ルルもつい微笑んだりなんかする。
そんなことが何年か続いたある年のお掃除、スザクが現れなかった。
もうこの仕事をやめてしまったのかとしょんぼりしながら、
帰宅しようとビルを出ると、しとしと雨の中にスザクがいるんです。


「あ」
「………え?」
「うわ、すっごい不審そうな顔」
「え、だってお前…え?」<驚いたのと、スザクがタメ口なので思わずタメ口
「うん、とりあえず初めまして。枢木スザクです」
「…」
「固まってないで名前くらい教えてよ」
「…っ説明しろ!」
「説明?」
「いなかっただろ、今日。てっきりもうやめたのかと」
「仕事を? やめてないよ。今日はお休み貰った」
「休み?なら何でここに?」
「硝子越しじゃなく、君とちゃんと話してみたかったから。だったら今日かなーって」
「何だその理屈…って、お前結構濡れてないか!? そもそもどのくらい待ってたんだ!」
「ん? まだ二時間くらいだけど。
 君が出てくるまで待つ気ではいたけど、残業とかなくて良かったよ」
「ばかか!だったらフロアまで上がってくればいいだろう!」
「君の名前も知らないのに? 明らかに不審者だよね、それ」
「…」
「でも良かった。君とうまく逢えても、忘れられてたらアウトだもんね」
「…忘れてないぞ」
「うん、だから良かった」
「……」
「とりあえず、名前教えて?」


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硝子越しってロマンだよね。
というようなことを去年も考えていました@会社ビル窓掃除。
だってあの仕事、スザクにすごく似合うとおもうんだ。
実際には、たぶん、外のお兄さんからは中は見えないです。

今年もありがとう、お兄さん方。(明らかに間違った感謝の方向)
by generalx | 2009-08-19 12:57 | ギアス掌編 | Comments(0)