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by generalx Notice!
■contact me ■pixiv:2613792 ■ギアス掌編はこちらからどうぞ ■うっかりイナイレに垂直落下しました --- るるくる伝言板 アッシュフォード学園生徒会交換日記 特別室 I LOVE KYOTO --- スザク受けサーチ clap!!! カテゴリ
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ケータイx所有者シリーズ
・ケータイは人の形をしています ・所有者の目にだけ見えます ・触れません。 --- 「ルルーシュー、これ訳して」 「うん? なんだこれ、ロシア語? お前、少しは自分で辞書を」 「いいから、いいから」 「…『わたしはあなたを』、…」 「うん」 「………分かっててやってるだろう、お前」 「いや…ああっ、ごめん!ごめんてばルルーシュ!消えないで!」 『дурак!(ばか!)』 --- 原文:я тебя люблю 独語でも良かったか…。 今更ですが、ケータイx所有者の表記は便宜上そうしているだけで、 必ずしもその掛け算ではありません。 寧ろ逆になりがちなのは何故だろう。
ケータイx所有者シリーズ
・ケータイは人の形をしています ・所有者の目にだけ見えます ・触れません。 --- 「朝だよ、ルルーシュ」 「…」 「ルルーシュ、起きてー」 「…」 「遅刻するよー」 「…」 「……君に触れたらいいのになぁ」 「同感だ」 「……っ!」 --- スザクの手がそっとルルーシュに触れている朝、とか。 正しいケータイパロっぽいな!
ケータイx所有者シリーズ
・ケータイは人の形をしています ・所有者の目にだけ見えます ・触れません。 ・ケータイは自分で自分を操作することはできません --- 「ロイドさんは、どうして白衣なんですか?」 「これ? 趣味」 「そ、そうですか…」 「君の」 「僕!?」 「ケータイアレンジは個人の趣味が出るからね~」 「ちょ、僕そんな設定してませんよ! あなたの初期設定でしょう!?」 「どうせ君にしか見えないんだから、どうでもいいでしょ」 「いや、そうですけど…ケータイで白衣ってなんか…」 「そこまで言うなら他のにしようか? メニューのテーマの中にいろいろあるよ~ナースとか」 「なんでもないですすいませんごめんなさい」 --- 冗談なのにね~(byロイドケータイ) リクエストにより。
ケータイx所有者シリーズ
・ケータイは人の形をしています ・所有者の目にだけ見えます ・触れません。 ・ケータイは自分で自分を操作することはできません --- 「っ痛い、いたい!もう少し優しくしろ!」 「あんま動かないでってば。ほんと君、指紋つきやすいよねー」 「そういう仕様だ。…っ、ほぁ!?」 「どうしたの?」 「くすぐった…ちょ、こら!」 「綺麗にしてるだけだって」 「どの口が言うか!」 --- 詳細は自由にご想像ください。 「人差し指にむずむず」はどう見てもエロいと思う。 で、なぜようやく真打かというと、どうしてもルルが執事になってしまい、 いつもと変わらんくてつまらないからです。私が。
「You are my friend」の続編にあたります
--- 「…珍しい。お弁当持参?」 いきなり入ってきた人物にも、枢木スザクはもう驚くことなく、食べかけのサンドイッチを呑み込んだ。 「…お疲れさまです、ロイドさん」 「うん、疲れた」 ふうと溜息を吐いて、ロイドは自分のデスクに座る。どうやら本当に疲れているようだ。 スザクは、普段学生が使うテーブルを借りて食事していたが、すいっと立ち上がった。 「コーヒーでも?」 「君、食事中でしょ」 「それくらい構いませんよ」 スザクはお昼前に自分が煎れたサーバからコーヒーを注ぎ、ロイドの前に置いた。ついでに自分の分も煎れて席に戻る。 「ありがと~。ああもう、めんどくさいなあ。なんでこう会議好きなのかな、このガッコウは」 ぶつぶつ文句を言いながら、それでもコーヒーを飲み始める。 ロイドはこの大学の教授で研究者だが、「先生」と呼ばれることを嫌うので、スザクも名前で呼んでいる。 ──優秀な研究者だが、変わり者でも名高い、というのは、バイトが決まってから知ったことだ。 バイトは週に平均三日ほど。仕事はほぼ雑用で、力仕事も含まれるが、散らかっていく研究室を片付けることが主な仕事と言っても良い。 時間の融通もある程度は利くし、バイトとしてはかなり厚遇されていると思うが、それでもよくて一週間でやめてしまうのだという。学内ではもう人員が確保できず、学外で応募したところ、スザクが引っかかったわけである。三か月経過し、大学の事務局から泣いて感謝されたことはロイドには言っていない。 確かに変わったひとではあるが、悪いひとではないし、報酬も魅力的だ。 (…まあさすがに、ナイトメアのシミュレーションさせられたのは驚いたけど) スタッフが足りないのだと引っ張られ、渋々乗ったのだが、後でロイドは助手にこっぴどく叱られたらしい。スザクを正式にスタッフに、という話も一時あったようだが、それもその助手が止めたようだった。 時々そういう無茶をするので、バイトが長続きしなかったのだろう、きっと。 「今日はなんの会議だったんです?」 さあ、とロイドは首を振った。この教授、そもそも聞く気はなかったらしい。 「もう今日はダメ。帰ろうかな~」 ロイドはデスクにへたばっている。 スザクは笑って、更にサンドイッチをつまみ上げた。 「セシルさんが帰ってきたら怒りますよ」 「……」 ロイドは少し言葉に詰まった。今日はたまたま不在だが、優秀な助手のことを、ロイドは唯一苦手としているらしいのだ。 少々不憫に思ったスザクは、食べ物に頼ることにした。 「ロイドさん、お昼まだですよね。良かったこれ食べませんか」 「…彼女のお手製?」 ロイドは、スザクの正面に移ってきて言った。 「お手製ですけど、違いますよ。友人です。多めに作ってくれたんで」 「へー。じゃあ遠慮なく」 もぐもぐと口を動かし、ロイドは「これはおいしいね」と言った。 「料理が趣味なんです」 「素晴らしい」 はい、とスザクは答えた。ロイドはもう二個目に手を伸ばしている。 使わなくなった参考書をくれると言うので、バイトの前に立ち寄ったら、お昼に食べろと、みっちり詰まったこのお弁当をくれた。 今日だけではない。スザクが尋ねるとき、ついでだと言って大概何か作ってくれている。事情を詳しく話してはいないけれど、察することはあるのだろう。料理がストレス解消だと言うのも本当で、スザクがあまり気にしないように気を使ってくれてもいる。 申し訳ない。でも同時に、とても嬉しい。 「で、目処はついたの?」 前触れもない問いだったが、復学のことだとすぐに気付いた。 ロイドはたまにこういう物言いをするのだが、だいぶ慣れた。 「ああ、ええと…どうでしょうか」 でも、とスザクは続ける。 「勉強は続けてるんです。これを作ってくれた友人が、教えてくれてて」 最近では、家庭教師の真似事もしてもらっている。 これにはちゃんと対価を支払った。彼は要らないと言ったが、スザクが譲らなかった。 「ああ、優秀なんだ」 「すごく。おまけにかっこいいです」 「それほんとに人間?」 「連れてきましょうか? 彼もここに興味あるみたいなので」 「機会があったらね。そういえば初めて聞いたよ、君の口からトモダチのことって」 「それは…」 そのとき、スザクの携帯端末が震えた。 スザクにメールをくれるような友人は少ない。液晶ディスプレイを確認すると、やはり彼である。 スザクは手早く確認して、端末をポケットにしまい込んだ。返信は後でもいい。 「…例の彼?」 「あ、はい」 ロイドはいつもの涼しい顔で、コーヒーをもう一回注ぎに立った。 「嬉しそうだね」 「え」 「しまりのない顔になってる」 すみません、とスザクは笑った。 「浮かれてるんです」 「トモダチに?」 「ええ、トモダチに。」 --- 「彼」の名前は敢えて出してない。 なんだかロイドさんがものすごくいい人に…。 ※ルルの記憶がない状態でスザクが転入してくるパラレル (過去の一覧) --- スザクがバスルームから出てくると、デスクの上に放ってあった携帯端末が明滅していた。不在ランプである。 緊急であれば、夜中だろうがなんだろうがお構いなく呼び出される立場だ。スザクは就寝を半ば諦めて、端末を操作した。 メールが1通。(ということは緊急の呼び出しではない、とスザクは思った。) 開いてみると、ルルーシュからだ。タイトルはなし、本文もたった一言。 『あつい』 「……?」 スザクは首を捻った。暑い? それはまあそうだろう、今は一番暑い時期なんだから。見れば、受信時刻はほんの5分ほど前である。深夜二時を過ぎていたが、スザクは少し迷った後、端末を操作して電話をかけた。 数回のコール音のあと、 『…はい』 ものすごく不機嫌そうな声が返ってきた。 「ルルーシュ? あの、どうかしたの?」 『…どうかって?』 寝ぼけてるのか? 「暑い、ってメールが来たんだけど」 『ああ…?』 ルルーシュは、まだぼやけた返答を返してくる。 『すまない。ちょっと…眠れなくてぼんやりしてた』 「眠れないって…え、暑くてってこと?空調は?」 『言ってなかったか、昨日から壊れてる』 なるほど、ようやく話が見えた。聞けば、直るのは早くても明日(もう今日か)になるそうだ。 「じゃあそれまで、まともに眠れないとか?」 『そうなるな』 参った、とルルーシュは呟いた。そういえば彼は暑さにも寒さにも弱かった、とスザクは思った。ついでに言えば寝起きも悪いし、一度寝たら簡単には起きないタイプ。 「ホテルにでも泊まればいいのに」 『…ロロが嫌がるから』 彼が普段行かない場所に監視システムは敷いていない。であれば不都合が生じる──ルルーシュの弟役である少年の思惑が見えた。 「うーん、そっか。あ、怪談でもしようか、涼しくなるように」 『……別の意味で眠れなくなるから遠慮しておく』 「相変わらず苦手なんだ」 『嬉しそうだな』 スザクはくすりと笑って、「だけど」と続けた。 「だけどこの暑さに寝不足じゃ、ほんとに倒れるよ?」 ただでさえ体力ないのに、と言う言葉はどうにか飲み込む。 『いざとなったら昼間、医務室に籠もるよ。…悪かったな、こんな時間に』 「いや、それはいいけど」 『おやすみ、スザク』 通話が終わりそうになった寸前、スザクはあっと声をあげた。 「ちょっと待って。思いついた、涼しくなる方法」 『…参考までに聞くが、なんだ?』 「プールがあるじゃない」 『………夜中だぞ』 「どうせ眠れないなら、起きてても同じじゃない?」 『お前、セキュリティという言葉を知っているか』 「この学校に限っては、君には無意味ってことは知ってる」 ルルーシュは小さくため息をついたようだった。 『わかった、お前も来るんだな?』 行くよ、とスザクは答えた。 夜のプールなんてちょっと楽しそうだ、とつい思ってしまう。 『じゃあ、いい』 待ってるよ、とルルーシュは言った。 『しかし、お前がそういうことを言い出すとは思わなかった。明日サボっても文句言うなよ?』 「はいはい」 猛暑も悪くないな、とルルーシュは呟いた。 たまになら、だけど。 ---- いや、暑いですねって。
(時間ができたので夕飯を食べにきたスザク)
「ほらスザク、デザートだ」 「うん。え、これ…アイスケーキ?」 「食べて見たかったんだろ? 一日遅れだけど、一応バースデイケーキだ」 「あ、ほんとだ。…まさか君が作ったの?」 「いや、これはさすがに買ったきた。ああ、俺だけじゃなくてみんなからだからな。感謝しつつ好きなだけ食べろ。今が夏で良かったな」 「…ありがとう」 「ああ。…なあ、スザク。来年も」 「うん?」 「…いや、なんでもない。早く食べないと、どろどろになるぞ」 「え!」 --- プレゼントしたいものも、されたいものも思いつかないふたり。 伝言板6/22ネタ。
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理由はいくつか挙げられる。 退屈だったこと。学校が休みだったこと。ロロが、連休に合わせたクラスごとの旅行でその日、不在だったこと。 ただ一番は、やはり興味本位だったのだろうと、ルルーシュは思う。 * 知ったのは偶然だった。 夕食を済ませた後、暇つぶしにニュースサイトをチェックしていたところ、「お友達貸します」という文句が目に飛び込んできた。 記事を読み進めてみると、買い物や映画や夕食や、つまり『友人』と楽しむ時間を持ちたいひとに『友人』を派遣します、というサービスが反響を呼んでいるという。もちろん顧客サービスであるから、有料だ。依頼料の他にも、当日の費用一切を負担する決まりらしい。 「…つまり一種の代行サービスか」 呆れながらルルーシュは呟いた。 金を払って『友人』を借りる。そんなサービスが成り立つこと自体が不思議だった。それは『友人』ではないし、『知人』ですらない。おそらく承知の上で、それでも依頼をする者がいる。そこに興味を覚えた。 ルルーシュは端末を操作して、そのサービス会社のサイトへ飛んだ。大きな謳い文句が踊っている。 新しいサービス、レンタルフレンド! ひとりではいたくない──そんな想いにお応えします ロロの居ない家は、ひどく静かだ。 「……」 会員登録自体は無料だったので、さらっと流して書いた。 派遣希望日は──来週の土曜日。 希望する『友人』のタイプ…あほくさい質問だな。無視。 年齢。まさか子供が派遣されてくる事はないだろうが、あんまり年上も困る。一応同年代を設定。性別は…初対面の女性は面倒だから男。 「…ばかばかしい」 その他いくつかの項目に応え、支払をクレジットカードで済ませてしまってから、ルルーシュは呟いた。 そして日付が変わってベッドに潜り込む頃には、もうすっかり忘れてしまっていた。 思い出したのは当日である。 翌土曜日、午前十一時。 インターフォンが鳴る音でルルーシュは目覚めた。夜型のルルーシュは、休みの前日は明け方まで起きていることも珍しくない。 自分よりは早く起きているロロが応対に出たらしく、玄関先でのくぐもった声が聞こえてくる。 やがてぱたぱたと軽い足音と共に、ロロが階段をあがり、ノックをした。 「兄さん、起きてる?」 「…ああ…誰か来たのか?」 言うと、ロロがひょいと顔を覗かせた。 「友達が来てるよ」ロロの声に、怪訝な色が混ざっていた。 「ともだち?」 ルルーシュもオウム返しに言ってから、「あ」と声に出した。 ──忘れていた。 「すまない、ロロ。すぐに行くから、ちょっと待っててもらってくれ」 「うん、分かった」 ルルーシュは跳ね起き、手早く身支度を始めた。 十五分ほどで階下に降りると、リビングで二人がお茶を飲んでいた。 一人はもちろんロロだが、もうひとりは……誰だ。 「遅いよ兄さん」 ロロが戸惑っているのが分かった。 ルルーシュの友人は少なく、ロロはその全員を知っている。目の前の彼を知らないので、戸惑っているのだろう。 「おはよう、ルルーシュ」 少し高めの声。色素の薄い髪は、癖っ毛なのか、くるくるとしていた。両目は綺麗なグリーン。 立ち上がると、背はルルーシュと同じくらいだった。 「……おはよう」 「ひどいな、忘れてたんでしょ」 まあ、いいけど。 彼は言って、ふわっと笑った。 「じゃあ出かけようか」 「え」 「え、って。そういう約束だったよね?」 知るか! ルルーシュは内心で叫び、ともかく彼に合わせようと想った。 兄の友人が家に尋ねてきたのに、その兄は友人の名前も知らない。ここで一緒に過ごせば、そんなことはすぐロロに分かってしまう。 かと言って、正直に説明するのもどうかと思う。 「…ああ、そうだった。すまない。──ロロ、遅くならないように帰るから」 彼が玄関へと歩き出した。ルルーシュがその後を追うと、ロロが慌てたように声をかけた。「兄さん、そのひと」 「ああ、うん」 ロロは恐らく名前を知りたかったのだろう。それを敢えて無視して、ルルーシュは微笑した。 「ともだちなんだ」 * 「どうしようか。この辺、あんまり詳しくないんだけど」 天気が良かったので、とりあえずぶらぶらと近くの公園に入り、ベンチに座った。 そこで彼は、枢木スザクと名乗った。年は同じ。 ようやく名前を知り、ルルーシュはほっとした。相手のことを知らないのに、こちらを知られているというのは存外、気分が良くない。 「そういえば、どうして俺の名前を?」 気になっていたことだった。あれでロロの怪訝な様子もだいぶ緩和されたと思うのだが。 「依頼人のデータを覚えるのは基本ですー。でないと、ああいうとき対応できないでしょ。周りに知られたくない人は多いし」 そうだろうな、とルルーシュは頷いた。 「頼んでくるのは一人暮らしの人が多いんだけどね。あとは家族と離れてるとか。君は例外みたいだけど」 「ああ…まあ興味本位で」 結構いるんだよねーそういう人。スザクは笑った。 そういえば初対面なのに、スザクは随分砕けた話し方をする。 それが気にならないのは、ルルーシュとしては珍しい。警戒心が強い、という自覚はあるだけに。 「だって『友達』だから。敬語とかおかしいだろ」 依頼人はあくまで『友達と過ごしたい』のであって、初対面の人と緊張しながら喋りたいわけではない。 「…そのあたりは全部マニュアルになってるのか。例えば依頼人に友人じゃなくて恋人になってくれって言われたらどうするとか。まあそれは極端だとしても、本当に気があったり、すごく重い相談される可能性だってあるわけだろう?」 「…面白いこと聞くね」 「そうか?」 「うん。初めてだ、そういうこと聞かれたの」 「最初に見たとき、面白いシステムだと思った。それで興味が湧いたっていうのもある」 「なるほどね」 「派遣されてくるのは、社員なのか? …つまり、この仕事専属の」 「大半は違う。派遣会社と基本は一緒だよ。名前を登録して、仕事ができる時間を予め伝えておくんだ。で、相手の希望と時間の都合がつけば、契約成立」 「へえ。じゃあ…枢木は」 名前を呼ぶのに一瞬躊躇った。それに気付いたのか、スザクは「名前でいいよ」と笑った。 「スザクは、普段は学生なのか」 「うん、そう。これはバイト」 ふぅん、とルルーシュは再び頷いた。なかなかうまく考えられているシステムのようだ。もっと聞いてみたい、と思った。 「さっきから言おうと思ってたんだけど」スザクはそんな様子におかしそうに笑って、立ち上がった。 「なんだ」 「そろそろご飯、食べにいかない?」 (後編に続く)
(前編)
* 頭がいいんだろうな、とスザクは思った。学業的な意味もあるが、恐らく、頭の回転がすごく早い。それがルルーシュ・ランペルージの第一印象だ。 このあたりは詳しくないから任せる。スザクがそう言うと、ルルーシュは一件のレストランへ連れていってくれた。 多国籍料理のお店だったが、小綺麗で、スーツ姿の男性もいるから男同士で入っても違和感はないし、値段もあまり高くない。支払いはルルーシュなのだが、あまり高いものだと食べた気がしない庶民である。 苦手なものはあるかと聞かれて、特にないと応えたのだが、自分が好きなモノを選べるように気を使ってくれたらしい。きっとすごく優しい、というのが第二印象になった。 「ところで」 結局ランチセットを二つ頼んだところで、スザクは聞いた。 ふ、と顔を上げたルルーシュの、紫の瞳が真っ直ぐこちらを向く。初めてみた時にも思ったが、この肌の白さはなんなんだろう。 「このあとの希望は? 行きたい場所とか」 ルルーシュの依頼は、お手軽六時間コースの十七時まで。延長はできるがその分追加料金がかかる。 「……」 黙り込まれた。まあさっぱりと忘れていたくらいだから、何もプランはないのだろう。 「…そうだな、ちょっと付き合ってほしいところがある」 それでもしばらく待っていると、ルルーシュは言った。そこにも、こちらが困ることがないようにという、気遣いが見えた。 「いいよ」 「一つ聞くが、甘いものは平気か」 「え? うん、好きだけど」 「ならいい」 どういう意味かと聞こうとしたとき、ランチセットが運ばれてきたので、聞きそびれてしまった。 「……ケーキ屋さん?」 「ああ」 ルルーシュはためらいなく、カウベルのついたドアを押した。 白とピンクを基調にした可愛らしいカフェは、女の子たちで溢れていた。奥のイートインスペースも、テイクアウトができるらしいショーケースの前も。甘い香りとその雰囲気にのけぞりそうになりながら、スザクはルルーシュの後に従った。 応対に出たウェイトレスにイートインを申し出て、席に案内される間、ずっと女の子たちの視線を浴びていたが、ルルーシュはまったく気にしていない。きっと慣れているのだろう。 席につくとその視線もいくらか緩和され、スザクはほっと息をついた。並んで歩いていても思ったことだが、彼はとても、目立つ。 ウェイトレスがレモン水(飲んでからただの水ではないと気付いた)を持ってきた。 「ご注文はお決まりですか?」 メニューを眺めていたルルーシュは、こともなげに答えた。 「バナナのシフォンケーキとフルーツタルト。あとコーヒーを」 二個喰い!? 「お前は?」 「あ、えっとコーヒーと…ショートケーキで」 かしこまりました。にっこり笑ってウェイトレスが去っていく。 「…ルルーシュ、ケーキ好きなんだ?」 なんとなく小声になって聞いた。 「ああ。どっちかというと作る方がな」 「え」 「趣味なんだよ。料理全般が」 男子高校生としては珍しい趣味だ。 「ここ、最近できた店なんだけどな。おいしいらしいから、偵察に来たかったんだ。一度食べれば大概は再現できるから」 お前は修行中のパティシエか。 「……お店の味を盗むってこと?」 「まあな。それで商売するわけじゃないから、別に悪くはないだろう?」 はあ。 おそらく彼は、普段から一人でも似たようなことをやっているのだろう。カフェに男二人で入るというシチュエーションに、何も頓着もしないのはそのためだ。 …頭はいいけど、ちょっと変わってる。かもしれない。 「盗んでどうするの?」 「は? 作って食べるに決まってるだろう。弟も甘いものは好きだし、寮生が…学校に寮があるんだが、そこに持って行けばあっという間に食い尽くされる」 「──いいな」 え、とルルーシュは言った。虚を突かれたようだった。 「学校。寮とかも。楽しそうで」 「…スザク?」 こんなこと本来は言うべきではない。スザクは思ったが、言葉が先に出てしまっていた。 同年代の同性と喋るのが、久しぶりだったからだろうか。 「…ごめん。学生ってのは、半分うそ。学校、行ってないんだ」 家の事情で。 「そうか」 それだけ言うと、ルルーシュはもう何も聞かなかった。それが、なんだか嬉しかった。 ケーキはおいしかった。堪能して店を出ると、そろそろ十五時になろうという時間だった。 ランチ同様、カフェの代金もルルーシュが払った。依頼人が一切の費用を持つのが基本だが、実を言えば、これが一番いやな瞬間だ。慣れることがない。 「あと二時間あるね」 「いや、もうじゅうぶんだ」 「え、でも」 「いい。これもあるし」 ルルーシュは、弟へのみやげだと、テイクアウトで二つ買った。確かにこれを持って移動するのは難しい。 その代わり、とルルーシュは言った。 「お前の来週の予定は?」 「…ええっと、それは予約かな」 ルルーシュは少し微妙な顔をしたが、「そうだ」と応えた。 「ありがとう。申し込んで指名してくれればいいよ」 「…分かった」 「じゃあまた」 スザクは手を振って、駅へと歩き出した。 また、と言う台詞を、このバイトを始めてから初めて口にしたと、その夜気付いた。 * 翌週の土曜日。昼過ぎにスザクはランペルージ家を尋ねた。その時間を指定されたのだ。 今度は忘れられなかったらしく、ルルーシュに出迎えられた。 「やあ、ルルーシュ」 「ああ」 ルルーシュは素っ気なく答えて、奥にいるらしい弟に「行ってくる」と声をかけた。行ってらっしゃい、という声が返ってくる。 「晴れて良かった」 「そうだね。どこ行くの?」 ルルーシュは手に持った大きなかごのようなものを示した。バスケットというやつだ。もう一つ、小さめの簡易クーラーバッグもある。 「…ピクニック?」 にやり、とルルーシュが笑った。 「う」 一口、クラブサンドを口に入れて、スザクは唸った。 もぐもぐもぐとあっというまに一切れ目を飲み下してから、主張する。 「なにこれ!趣味のレベルじゃないんだけど!?」 「…それは褒めてるのか」 「全力で褒めてる!すっごいおいしいよ!」 ルルーシュは行き先を決めていたらしく、先週も行った公園のベンチに並んで座り、持参した昼食をとった。 クラブサンドとおにぎり、几帳面に並んだおかずが詰め込まれていた。唐揚げ、卵焼き、里芋のそぼろ煮、トマトサラダ…そぼろ煮!? それ一般男子高生の料理の守備範囲か!? 戦きながら、まずクラブサンドを口に運んだ結果が、先ほどの呻き声である。 「そうか」 ルルーシュはおかしそうに笑って、スザクにお茶を手渡した。これも彼が入れた紅茶を水筒に詰めて持ってきたものだ。 「何が好きか分からないから、適当に作ったんだが」 「大丈夫、基本的に胃に入るものならオッケーだから」 「…普段の食生活を聞くのが怖いな」 スザクは空腹に任せて次々と平らげる。合間を縫うように、ルルーシュはちまちまと食べていた。 一段落したとき、スザクははたと手を止めた。 「ごめん」 「何が」 「僕ばっかり食べてない?」 別にいい、とルルーシュは言った。 「お前の喰いっぷりは見てて気持ちが良いから」 「……褒めてる?」 「褒めてる」 作りすぎたと思ったんだが、足りないくらいだったな。 ルルーシュは笑った。 「俺もロロも、あんまり食べるほうじゃないから、作りたくても普段はこんなに作れないんだ。でも先週食事したとき、物足りなそうだったから」 ああ、そうですか。 恥ずかしくなって俯くと、「別に悪いとかそういう意味じゃない」慌てたようなルルーシュの声がした。 「作りたくても作れないって言ったろ? 料理は俺にとっていいストレス解消なんだよ。でもカフェじゃ周りが気になったみたいだから、この方が目一杯食べられるかと思ったんだ。気を悪くしたなら謝る」 「いやそんな…うん……ありがとう」 なんだかものすごく気を使われた気がするが、素直にありがたいのでそう言った。 ルルーシュは頷き、「あとこれ」バスケットとは別に持ってきていたクーラーバッグから白い箱を取り出した。 箱をあけそのまま、ずい、とスザクの前につき出してくる。 「デザートだ」 「うん? あっ」 ショートケーキとフルーツタルト…! 一度食べれば大概は再現できる、という言葉は嘘ではなかったようだ。先週みたケーキとそっくりだ。えええ売り物になるレベルのケーキを即再現て。 まずショートケーキを取り出し、一口食べた。 「う」 「どうだ?」 「……君は料理人になるべきだ」 「趣味だよ。言ったろ」 全国のシェフとパティシエさんに謝れー! 「すごいね」 「別に。自分でやってるうちに覚えただけだ」 「自炊? あー…この前も思ったんだけど…二人暮らしなの? ていうかあそこ、学校の敷地だよね」 「ああ。事情があってあそこに住まわせてもらってる。両親は本国だが、滅多に会わない」 「そっか」 スザクはそれだけ言って、またショートケーキを頬張った。スザクの事情を詮索しないのは、ルルーシュにも事情があるからなのだと納得した。安易に踏み込んでほしくない、そういうラインを、ルルーシュも持っている。 その気遣いは嬉しい。同時に──寂しい。彼の『友人』はきっと知っているのだろうから。 くっ、と喉の奥で笑う声がして、スザクはなに?と目顔で聞いた。 「ついてる」 ルルーシュの細い指が、すっとスザクの口の横を滑った。 指のクリームを舐めとる表情から目を逸らし、スザクはケーキを呑み込んだ。視線を合わせたら、沸き上がる感情が、見透かされそうだった。 「ごちそうさま。本当にいいの?」 食事を食べ尽くし、さてそろそろと二人は立ち上がった。まだ時間はたくさんあるが、ルルーシュは今度も、もういいと言った。 指名されてるのだから嫌われてはいないのだろうが、時間ぎりぎりまで使う依頼人が多いので、多少心配になる。なんだかむっとしているようにも見える。 「…スザク、俺は」 「うん?」 「お前に、また会いたい」 「いつでも呼んでくれていいよ」 「そうじゃなくて!」 ルルーシュは形のいい眉を寄せた。 「俺はお前の名前しか知らないけど、でも」 「……」 「友人に、なりたいんだ」 言葉が出なかった。 答えられずにいると、ルルーシュはふうと息を吐いた。 「悪かった。忘れてくれ」 「え、ちょ…」 思わず腕を掴んでしまい、ルルーシュはよろめいてバスケットを取り落とす。空っぽのバスケットが二、三回跳ねた。 「ウッドブリッジ通り308!」 「…は?」 「僕の住所!」 ルルーシュは戸惑った顔で、スザクを見つめた。 「ごめん、びっくりしただけなんだ。友達になってほしいなんて、初めて言われたから」 「…」 「次は、僕の家に招待するよ」 * 「…そういえばまだ聞いてなかったな」 「え?」 「『本当に気があった』場合。…マニュアルには何て書いてあるんだ?」 スザクは笑って答えた。 「『不測の事態には各自で対応のこと。』」 当社は一切責任を持ちません。 --- 米国には実際にあるサービスだそうですよ!(元ネタはそのニュース) システムは適当に書いたのですが、書けば書くほど出張ホストのようになります。スザクのせいだ。 スザクは何となく苦学生のイメージがあります。学費稼ぐために休学中とかな。 ロロを華麗にスルーしててごめんね! 思いの外長くなったので分割しました。 ※ルルの記憶がない状態でスザクが転入してくるパラレル ※前段は伝言板 1/24付を参照 --- 「あれ、ほんとに勉強してる」 「してる。だから邪魔しないでくれ、ジノ」 スザクはデスクから顔をあげず、私室に入ってきたジノに言った。 出ていけと言われたジノはしかし、気にせず、アーサーとベッドに座って遊びだした。 「別にそんな必死にならなくても、点数取れるだろ」 ラウンズなんだから。任務なんだから。 ジノは言外に言う。 「それじゃ意味がない。だいたい」 スザクはため息をついて、くるりと振り向いた。ジノが去る気がないと分かって、諦めたのだ。 「君らはそんなことしないだろ」 「まあね。する必要がない」 ああ、そう。 スザクはもう一度ため息をついた。 まあ、ジノは確かに学業的な意味においても優秀だ。転入してきていきなり上位二十位に入るくらいには(試験前日に、同僚の部屋で油を売る程度には余裕なのだ)。アーニャはそこそこの成績らしいが、それでも赤点にはほど遠いと聞く。 ラウンズなのだから当然と言えば当然で、例外なのは寧ろ自分だ。 これだけ長くブリタニアの軍に所属しているのだから、もちろん読み書きに不自由はないのだが、試験のときにはいつも苦労させられる。もともと成績は良い方ではないし、仕事で学校に来られない日も多い。 「で、今は何やってんだ?」 「古典。もう意味が分からない」 撥音もしないのに単語に「g」が入っているとか、もうさっぱりだ。 大体の科目において苦手意識があるスザクだが、比較的マシなのは、数学と物理くらいだ。数字と記号で設問が成り立っていることが多いから、問題を読み間違えることが少ないのだ。 「でもスザクはもともとブリタニア語が母国語じゃないわけだろう。それってハンデじゃないか?」 「ハンデじゃない、とは言わないけどね。それを言い訳にはできないよ」 「相変わらず真面目だなぁ」 ジノは肩を竦めた。スザクは笑って、 「それに、学校は好きなんだよ。試験は憂鬱だけど」 「任務のことがなくても?」 「うん…あ」 スザクの端末が鳴った。ルルーシュからのメールだ。 勉強の具合を心配しているらしい(彼も特に自分の試験については心配しない人種だ)。特に返事をせずに端末をベッドに放り投げる。 自分の隣に転がった小さな端末を見て、ジノがふっと笑った。 「仲いいな」 「その方が任務には都合がいいだろう?」 「それだけには見えないから言うんだが」 「…何?」 ジノはすっと立ち上がった。急な動作にアーサーがびっくりしてベッドから跳ね降りた。 「良いか悪いかは別にして、ルルーシュは確かに人を惹きつける。この任務についてよく分かった。恐ろしいくらいだな」 「……」 「You know, "The biter is bit".」 どくん、とスザクの心臓が鳴った。 「──飲み込まれるなよ」 分かってる。 覗いたらきっと引きずり込まれる。かつて自分がそうだったように。 ジノが出ていったあとも、スザクの心臓は波打っていた。 今は試験に集中してしまおうと、無理に視線をノートに戻した。 そこには、ルルーシュの文字が並んでいた。 --- 試験どころじゃないね! スザクはルルーシュといると笑う事が多くて、 そんな自分が少し嫌になっているとおもう。いらいらしてる感じ。 ちなみに、タイトルと文中の英文は慣用句。どっちもミイラ取り。 More < 前のページ次のページ >
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