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寒い夜だから(from 'CODE GEASS')

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歩道に据えられたベンチ──正しくはベンチなのかどうか分からないが、寄りかかる事が出来る様になっている──に腰を乗せて、スザクはぼんやり空を見上げていた。吐く息は白い。夜になって、だいぶ気温が下がってきた。

急いた足音がした。彼らしからぬ慌てようだ、よほど急いだのだろう。スザクは足音の方向に視線をやって、ゆっくりと微笑んだ。
「やあ、ルルーシュ」
「このばかっ」
「え」
スザクは瞠目し、言葉に詰まった。謝られるのはまだしも、怒られるとは思ってなかった。約束に遅れてきたのはルルーシュの方なのだから。
「この寒いのに、正直に外で待つやつがあるか!」
「…えー、そこ怒られるところなの?」
「こういう時は店でも入って待つもんだ。いくらお前でも風邪を引く!」
「それで君に探し回らせろっていうの? ほんの十分かそこらじゃない」
「十分で済まなかったらどうするんだ。大体、お前の行きそうなところくらい見当が付く。…耳が真っ赤だぞ。髪も冷えてるし」
「大丈夫だいじょうぶ、そんな柔な鍛え方してないって」
スザクは笑いながら、髪に触れるルルーシュの手を取った。
「君こそ」
「?」
「手、冷たい」
ルルーシュはようやく言葉を止め、むっつりと「今度は店で待ち合わせよう」と言った。
「そうだね」スザクも答えながら、すいっと空を見上げた。
「寒いけど、星が綺麗だ」
ルルーシュも顔をあげ、「そうだな」と呟いた。
「『寒いけど』の但し書きがなければな」
「雪はいいくせに」
「うるさいな。…それからスザク」
「なに?」
「遅れて悪かった」
そっぽを向いて、このタイミングでようやく謝るルルーシュがあまりにらしくて、スザクは笑った。
「行こうか。ナナリーになにあげるか、もう決めてあるの?」
「候補はいくつかあるんだがまだ…」

雑踏に消えていく二人の声を背に、白い雪がひとつだけ、ふわりと舞った。

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外で待ち合わせた二人。
元ネタがメッセとか言えない。
by generalx | 2007-12-18 21:43 | ギアス掌編 | Comments(0)