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小野主上のいんたびゅ(和訳)

小野主上のインタビューを和訳してみました。米国で十二国記が発売されるそうで、そのインタビューだそうです。
こんな感じかな程度なので、それでOKという方のみご覧下さい。かなり意訳も入ってます。

原文はこちら。
http://www.animenewsnetwork.com/interview/2007-03-18/fuyumi-ono-author-of-the-twelve-kingdoms


※十二国記データベース様からのリンク、yz様よりトラックバック頂きました。ありがとうございます!
リンク先で、Sinlyan様の翻訳もご覧頂けます。


──プロの小説家になろうと思ったのはいつごろですか?

なろうと思った事は一度もありません、本当に。
小説家になってから、プロでやろうと思ったんです。

──仏教関係の学位をお持ちだと思いますが、どうして小説家に?

大学院で勉強していたとき、学費が底をついて退学しました。目的を見失って、すっかりやる気がなくなってしまったんです。
それから、私が大学にいた頃に書いたものを読んだある編集者が、もっと書くようにと薦めてくれました。

──現在のような成功は、想像されていましたか?もしできるとしたら、過去でどんなことを変えたいですか?誇りとしていることはなんでしょう?

小説家になるなんて思っていませんでしたから、こうした結果は全て、予想外でしたね。
過去を変えたいと思う事はありません。過去があってこその今だと思っているので。
最初に少女向けの小説を書いたときのことですが、沢山の若いの読者たちが、初めて小説を最後まで読み続けてしまったと言ってくれたこと、それはとてもうれしかったですね。

──どのようなファンタジー作品に影響されたでしょう。他にどんなジャンルや作家の本を読まれますか?

お恥ずかしい限りなのですが、ファンタジーはほとんど読んだ事がありません。
出版社にファンタジーを書けるかと聴かれて、どうにかこのジャンルを書いた次第です。
書き始めてから、C.S.ルイスの「ナルニア国物語」や、ロジャー・ゼラズニイの「アンバーの九王子」を読んで、書きたいと思う『理想的なファンタジー』を見つけました。
とにかく、いざファンタジージャンルとなれば私は素人です。正直な所、「十二国記」は神話に近いと思っています。もしくは、異次元世界の歴史小説。これは、私が日本の歴史小説から多大な影響をうけたからです。
でも、読書で一番好きなのはミステリーですね。

──貴方のご意見として、小説を書く上で一番難しいことはなんでしょう。それは何故でしょうか。

自分の仕事を評価する、ということです。
作品が本当に面白くなるかどうかを判断するとき、あるいは読者と直接対面する時、何度読み返して、チェックしても、「これで完璧」ということはないと思います。それは、自分自身の作品を適切に評価するために必要な能力は、絶対手に入らないからです。私はそれは不可能だと知って、自分自身の判断を信じていません。信じない限り、「これでいいわ、満足よ」と言うことはとても難しいのです。

──今、どんなお仕事をなさっているか、差し支えのない範囲で教えてください。

昔にかいた、少女を主人公としたのホラーシリーズを書き直しています。

──どのようにして、このような不思議に満ちた「十二国記」の世界を書かれたのですか?キャラクターや世界観を作り上げるのに、どのくらいかかりましたか?

もともと、十二国記は「魔性の子」という物語で前身を書いていたんです。
出版社の依頼で、ファンタジーを書いてくれと頼まれたときに書いた別のシリーズですが、私自身はそんな風に区別できると思っていません。ファンタジー要素がプラスされたホラーであることは確かですけど(正確には、ですね)。ざっとですが、あの構想や世界観を作ったのはその時です。
子供のころから、『リンクする』話を考えるのが好きでした。(例えば、『川がこう流れてるから、ここにあった国はあっちから侵略されただろう』とか、『この史実があるからこの伝説が残ったんだ』とか。) 
そんなような遊びの感覚で、地図と年表を書いていましたから、実際にどのくらい時間がかかったかは分からないんです。きっちり決めた後でも、アイデアを思いつきで足したりしてましたし。
このシリーズをかいている本当の理由は、もっともっと詳しく書きたい、ということですね。

──どうやったらこんなに長いシリーズを書き続けられるのでしょう?

年表を作ってから、物語を書く様にしています。あと、物語に出てきた順に、用語集は作る様にしています。

──一番すきなキャラクターは?また、それはなぜですか?

「好き」と言う言葉にはいろんな意味がありますが、書いていて一番楽しいのは『名前のでてこない人物』ですね。
説明するのは難しいのですが、たぶん自分に一番似ているように感じるし、その分リアルだと思えるからでしょう。
それを書くのはとても楽しいですし、うまく書けたときは達成感を得られます。

──一巻を拝見しましたが、「影の海」は、肉体的にも感情的にも精神的にも限界に追い込まれた少女の、なんというか、荒唐無稽な物語ですね。誰かモデルとなった人物がいるのですか?あるいは、陽子と同じような立場になったことがあるのですか?

陽子のモデルは特にいませんが、読者のくれた手紙が全て、モデルと言えるかも知れません。
最近、少女を対象にした小説を書いています。多くの読者が手紙をくれますが、そこに書かれている悩みは、よく似通っていました。お返事を書く事はできないかわりに、「影の海」を書いたのです。
陽子の身に起きた事についてですが、全ての人が経験し、多かれ少なかれ、陽子が経験した精神的感情的トラウマが、彼ら自身を成長されてくれると思っています。私自身、過去に同じような経験をしていますが、乗り越えることができました。これ、という答えはありませんが、いつか皆さんの身に同じようなことが起きたとき、助けになればいいなと思っています。

──十二国記が大きな話題となった時の感想は?お祝いはしましたか?どんな風に?

私は、これが成功だと感じたことはありません。1992年に最初の本を出しましたが、最初に書き終えたとき、読者には重苦しいと言われましたし、投げ出されてしまったんです。
好調と不調を繰り返して、なんとか続けられることになって、読者の心強いサポートがあったことは本当に幸せでした。その感謝の気持ちがあったから、続きが書けたし、今も続けています。
あれから15年たって、読者も少しずつ成長していますから、全体的に言って、そう驚くようなことは「十二国記」ではおこらないと思います。

──最後に出たのは2001年ですが…、十二国記のシリーズを今後かかれるご予定は?

もちろん、ありますよ。
※意訳

──数年前にアニメがアメリカで放映されましたが、読者が知るべきアニメとの違いとはなんでしょうか?

脚本を書かれた會川さんは──素晴らしい脚本家です──、彼が手がけてきた他のたくさんのメディア同様に、「アニメ」というメディアで、原作と違った形でキャラの個性を引き立たせる事ができるのです。
優れた小説が、優れたアニメと同一である必要はありません。ベストを狙うなら、原作を変える事は避けられません。
ファンの皆さんには、そのことを覚えておいて頂ければと思います。
Commented by 木崎 at 2007-04-01 22:08 x
和訳おつかれさまでーす!助かりまーす(笑)
シリーズ次作…出るとしても、問題はいつになるのかだと思われ…。悪霊シリーズも好きなんですけどね。
Commented by 葵@管理人 at 2007-04-02 21:18 x
ありがとうございます~。
なんちゃって和訳で申し訳ないですが、まあ雰囲気ですから!(笑)
ホントに次はいつ出るんでしょうね。10年は待つ覚悟ですけど!
Commented by 輝雪 at 2007-04-12 00:15 x
はじめまして、ふと記事に引かれて立ち寄ったものです。
今後とも書かれるつもりは『あります』ですか!
うれしいですねぇ 葵さん、訳していただいて本当にありがとうございました^^
いつになるかはわかりませんが、これでまた希望をもって待てますね。
Commented by 葵@管理人 at 2007-04-12 18:23 x
輝雪さん初めまして。目にとめて頂いてありがとうございます。せっせと訳して見ましたが、お役に立ちましたか?
本当に続きが待ち遠しいですね!いつまでも待とうという気になりました。
by generalx | 2007-04-01 00:03 | 日記 | Comments(4)